「防衛機制」(心理学用語)という言葉を聞いたことがあるだろうか?
防衛機制(ぼうえいきせい、英: defence mechanism)とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。
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こう難しく書かれてしまうとよく分からないものになってしまうが、これは私たちが常日頃から普通に行っているもので、要は自分が傷つかないために、自分にとって都合よく物事を解釈したり、変化させたりすること。
現実を生きる上で伴う不安や怒りなどのネガティブ系感情を静め、気持ちの安定を保とうとする心の反応である。
防衛機制の中には、
- 抑圧:最も基本的な防衛機制で、「思い出せない」「分からない」など無意識の中に押し込める
- 否認:心を閉ざして現実を認識しない
- 隔離:ある経験に伴っている感情などを、切り離して遠ざける
- 反動形成:不快な感情などに反抗して、本心とは正反対の言動をする
- 同一化:他人の良いところと自分を重ねる、真似をする
- 退行:赤ちゃん返りなど、幼い自分に戻って困難を回避
- 知性化:感情や欲望を知的な活動に置き換える
- 合理化:もっともらしい理由をつけて自分を納得させる
- 打消し:罪悪感や恥のような行為を行ったあとで、魔法のように消してくれる行為や感情を持つ
- 投影:自分の中の抑圧された感情などを他人が持っていることにしようとする
- 置き換え:より受け入れやすい対象に振り向ける
- 補償:失敗や劣等感を感じた時、他の分野で成果を出そうとする
- 昇華:ネガティブな欲求を、学問や芸術活動などに変化させる
と、まぁ、こんな感じのものがある。
今回はざっと簡単すぎる説明にしたので、興味がある方はネット検索などして勉強してほしい。
これらのものを使って私たちは、自分の心が傷ついて壊れてしまわないよう、自分では受け入れがたい現実、悪とされる欲望や願望、ネガティブな感情などから、防衛をしているわけだ。
私は防衛機制を使うことを、悪いことだとは思っていない。
これによって自分の心が傷つかずに済むなら、使うべきだと思っている。
心が未熟な幼少期には、防衛機制によって自分を守る必要があるのだし。
私がよく使うのは、「合理化」。
これは、イソップ物語の「すっぱいブドウ」を用いられて説明されることが多い。
自分に都合のいい言い訳、もっともらしい理屈をつけて、自分を納得させるやり方である。
実は今、抱えている問題があって、それをこの「合理化」を使って解決しようと企んでいる。
対人関係=相手があること、は、自分ではどうにもならないことが多い。
そして、その「どうにもならないこと」を「どうにかしよう」とするからストレスになる。
他人は変えられない。
自分が変わるしかないのだ。
私が日頃使っている「合理化」は、ちょっとこの場では発表できないほど、ブラックである(笑)
しかし、それは自分の中だけの話だから、当然、許されるわけで。
大事なのは、表も裏もまっさらで、清く正しく美しく生きることではなく、自分自身を守って生きることだと、私は思っている。
自分の心の安定を保つために、自分の頭の中でだけ人に批判されるような物語を作っていくことは、決して悪いことではないと。
防衛機制は、私たちが困難に立ち向かうための大事な役割を担うものであるから、ブラックな自分や現実逃避してしまう自分などに気づいても、自分を責めないでほしい。
本当に大切なのは、かけがえのない自分なのだから。