「聞いてもらえるだけでいい」 理解を求めず、吐き出すことを目的に

私は自分がHSPだと分かってから、ひとつ、やめたことがありました。

それは、「他人に自分の言いたいことを理解してもらおうとすること」でした。

「私の言い分を分かってほしい」という気持ちを、捨てたのです。


私は以前から「みんな、話せば分かってもらえる」と思い込んでいました。

でも、どんなに話しても説明しても、全然分かってもらえないどころか、頭から否定され、批判され、攻撃されて孤立する結果になることが、あまりにも多すぎたと思います。

HSP気質の私は、話をする時にも他人軸で、相手の顔色をうかがって自分の本心を言えませんし、感情的になるので泣いたり怒ったりして話にならないことがほとんどでしょう。

なので、HSP気質のそういう自分なんだと分かった今回、もう、そこに期待をするのはやめたのです。



先日、会社でとてもショッキングな出来事がありました。

それは、とある上司から、心無い、傷つく言葉を言われたからです。

もちろん、その上司は、私がそれで傷つくなど微塵も思っていなかったでしょうけど、その言葉の破壊力はすさまじく、私はいまだに引きずってしまっている。

問題にすれば、パワハラやモラハラとして扱われる言葉だと思います。

でも、派遣社員である私には、派遣先の上司であるその人に対して何もできず、泣き寝入りするしかない。

けど、傷ついた自分の心が…、というよりも、私は私がかわいそうになりました。

こんなに一生懸命に働いているのに、それはないでしょ?と。

友達や妹に話をしましたが、「悔しい」「悲しい」が解消できませんでした。

そこで私は、職場の、ある男性社員に、自分が言われて傷ついた話をしたのです。

するとその男性社員は、言いました。

「僕も前に、同じようなことがあったよ。あまりにも悔しくて(社員の)〇〇さんや△△さんに愚痴った。そうやって、誰かに話すことも必要だと思う」


正直言って、私、驚きました。

もっと、厳しいことを言われるんじゃないか、と思っていたからです。

でも、その男性社員は、まるで「人に話して、ちょっと悪口大会してもいいんだよ」と言ってくれているようだった。



そこで私は、気づいたのです。

「分かってほしい」ではなく、自分に中にある本心やホンネを吐き出すだけでもいいんだ、と。


傷つかない自分、怒りを抱えない自分、愚痴や人の悪口を言わない自分。

そういうのって、私にはハードルが高すぎる。

だから、「分かってくれる人」じゃなく、「話を聞いてくれる人」に、傷ついたことや愚痴、悪口を言おう。



そして私は、しばらく時間をかけて考え、後日、別の上司に話を聞いてもらうことに決めたのでした。

私はこの上司に対して、とても自然に、相手の顔色をうかがうことなく、自分の中にあった「言いたいこと」を全て言えたと思っています。


後になって思いましたが、それはこの上司が、穏やかで攻撃的ではない性格だったことがその理由ではないか?と。

考えてみれば、「人の話を聞かない人」は、攻撃的な傾向があります。

人の話に耳を傾けるより、自分の意見を言う方が忙しい。

でも、最初に話をした男性社員も、この上司も、攻撃的なタイプではないのです。

まぁ、そうですよね。

「話しやすい人」というのは、穏やかで包容力がある人ですもんね。


私の親友も、私の妹も、感情的なタイプではありません。

口数が少ないわけではないけど、いきなり批判したり否定したりと、攻撃してくることはない。

だから、思いました。

そっか、私はこれから、こういうタイプの人たちを選んで話を聞いてもらえばいいんだ、と。



話をする時、「分かってほしい」「共感してほしい」を目的にすると、そこに生まれる期待も「分かってくれるだろう」「共感してくれるだろう」になりますね。

なのに、「分かってもらえない」「共感してもらえない」とする結果になった場合、ショックも大きくなる。

なので、そこを目的にするのはやめ、まずは自分の中の気持ちや事情を「聞いてほしい」にしたらどうか?

そうすれば、自分の周りに存在する「分かってくれる人」より「話を聞いてくれる人」の確立の方が、高くなるんじゃないか?



私がとある上司から心無い言葉で傷つけられたことを話すと、話を聞いてくれた上司は、「ちょっと酷いから本人に注意しようか?」と言ってくれました。

でも私は断りました。

別の上司に話したことで告げ口したと思われるなどして、関係が悪化するのだけは避けたかったので。

「ただ、聞いてほしかっただけなので」と言って話を終えた後、「あー、スッキリした」と実感することができたのが事実です。

話をしたことへの罪悪感もないし、言い足りなかったと不満足感もありませんでした。

もちろん、事実も本心も全て話しましたから。



私の親友が、よく「ごめんね、私は話を聞いてあげることしかできなくて」と言います。

ですが、その度に思う。

その「話を聞くだけ」が、どれだけ私を救っているか。

「あなたがいてくれるだけで、話を聞いてくれるだけで、私には十分なんだ」

そう思うのですよ。



自分の中にあるネガティブな気持ち、傷ついた事実を、吐き出すだけでいいのです。

「分かってほしい」はちょっと脇に置いて、穏やかで攻撃的じゃない人に、「聞くだけ聞いて」と愚痴ってみること、オススメします。