相談したいカウンセラー

先日のとある朝、私はなぜか、起き抜けから気分が落ちていた。その前の晩、今後の仕事についてあれこれ考えていたせいだろう。しかし、どうにもスッキリしない。そこで午前中、久しぶりに占いに出かけてみたのだが、そこでもまたパッとしない結果で、自分にダメ出しというか、更に落ち込んで暗くなってしまった。 不甲斐ない自分自身に嫌気も差して、仕事への不安も強くなって、どうしようか？と考えた時、春に行った職業相談施設のことが頭に浮かんだのだ。 なので、電話をしたところ、春に話をしたキャリアコンサルタントN氏が対応してくれて。前回はちょっと的外れなアドバイスをされたこともあり、若干の不信感を抱いたまま、そこへ出かけることになったのだが。 今回のN氏は、前回とは少し違っていた気がする（笑）ん、なんか、キャリコンやってるぞ、的な（笑） そこでN氏にされた質問、言われたことが今日の話題。 一通り話を聞いてもらった後、N氏が口を開いた。 N氏「クライアントが、この人に相談したいと思えるのは、どういう心理カウンセラーでしょうか？」そう質問されて、私は質問の意味を理解するまで時間がかかった。私「え…？資格…ですか？…あとは…学歴？…社会的な経験値？…専門知識とか？」そう答えると、少し沈黙した後、なぜかN氏は再度全く同じ質問をしてきたのだ。N氏「クライアントが、この人に相談したいと思えるのは、どういう心理カウンセラーでしょうか？」 私「…え？？だから…、心理カウンセラーの資格…？心理学や心理療法の専門的知識…？…経験値が高い人？？」 私には、なぜN氏がこんな質問をしてくるのか、分からなかった。だから、どう答えていいのかも分からなかった。 私「え～…。つまり、クライアントに選ばれるためにはどういう心理カウンセラーであるべきか？ってことですか？」するとN氏は、ちょっと変な顔をしながら「うーん、まぁ、そういうことですかね。浩子さんが気づいていない、大事なことがあるんです」って。 私は戸惑いながらも、また同じ返事しかできなかった。私「だから…、資格？学歴？経験値？専門性？？」 そんな私を見て、これ以上のやり取りは無駄だと思ったのか、N氏は答えを言ったのだ。「元気、ですよ。元気じゃない人のところへ、相談に行きますか？」 …へ？…あ、そういうことか。 私はようやく、N氏の言いたいことが理解できた。 更にN氏は言った。「今日はどうしちゃったの？前回来た時はすごく元気で、こういう人とは1日中話していたいと思ったくらいなのに」って。 そう言われて、前回来た時のことを思い出した。私は心理カウンセラー活動を始めたきっかけや今後のヴィジョンを話し、N氏と盛り上がったんだっけ。あぁ、今日の私とは、テンションの高さがまるっきり違う。 ほんと、どうしちゃったの？私。 「元気とは？」とネット検索すると、「活動の元になる気力。心身の活動の源となる力」などと記載されている。 確かに、「元気」を失っている時は自分らしいことは何一つできないどころか、メンタルもどんどんマイナスに傾く。そんな状態でいたら、仕事をするにも支障が出るだろう。 ひとつ言い訳をさせてもらうなら、今の私のような人は、こういう状態になっていることに自覚がないのではないか？ということ。ひとりで生活をして、自宅でひとりで仕事をしていて、誰とも接しないと、自分に元気がないことすら気づけないのではないか？ 私自身、「明るく元気」が何より取り柄で最も強い個性だと思っていたにも関わらず、「今日は元気がない」とN氏に指摘されるまで気づけなかったのだから。 「元気」という言葉は、普段本当に当たり前に使っているせいか、改めてその言葉の意味やその状態を考えることなどなかった。 しかし、私たちが生きる上で最も基本で最も必要で大切なものだと、昨日はよく分かった気がした。 多少元気がないくらいでは、それほど仕事には影響しないのかもしれない。でも、パフォーマンスは落ちるだろう。 悩みのない人生などない。悩みは魂を成長させるための試練のようなもので、悩みを抱えた時こそ成長の時だから悩める自分を責めるつもりはないのだが。 ただ、この日のように他人に「元気がない」と指摘されたのは、おおいに不本意だった。とてもいい勉強をさせてもらったと、N氏に感謝している。 現在13歳の私の愛猫は、腎不全ステージ4のため、かなり痩せてしまっている。それでも今日もご飯をしっかり食べてくれているのを見て、嬉しく思うのだ。 「ご飯が食べられる」ということも、「元気」がある証拠。やはり「元気」は、生きていく上で必要不可欠である。

「元気」ですよ。元気じゃない人のところへ相談に行きますか？